About Project


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「…孕めば、いいのにね。」

情事の後の倦怠感に身を任せ、私は彼に呟いた。

帰ってくるのは、冷笑。

「冗談だろ。僕、そういう冗談は笑えないな。」

「知ってるわよ、それくらい。」

「そう。ならいい。」

私をほったらかしで身嗜みを整えてる。
なんて、憎たらしい奴。

「今度は後輩ちゃんとデート?もてるね〜、八純啓君…」

厭味。
肩が、少し揺れた。

「嫉妬?サラ」

また、覆いかぶさって来た。邪魔。どいてよ。

「馬鹿じゃない?どうして恋人でもない奴に嫉妬しなきゃなんないのよ。」

無理矢理腕からのがれて、枕もとのシガレットケースをたぐりよせ、中身を取り出す。

「タバコ、匂い着くから止めろって言ったじゃないか。」

「止めたわよ。」

中身がタバコではないことを口付けで教える。

「チョコ…」

苦笑するあんたの顔、まだまだお子様ね。

「ねぇ、魔王には言ったの?」

あんたの気持ち。

「まさか。僕みたいな汚れた奴が、彼に近づいちゃいけないんだよ。」

なんて、
悲しそうな
瞳…

「だから、代わりに私を抱く…」

「そうだよ。君みたいに汚れた女は都合が良い。」

顎を掴まれ、無理矢理口を開けさせられる。

「ん…っ」

咥内にヌルッとした感覚が広がり、私はまた馬鹿なことを考え出す。



…束縛、してやりたい。



あんたは、まだ綺麗だ。


だから、


縛り付けてやりたい。


汚れと言う名の鎖に繋いで、


私と言うなの蔦でがんじがらめにして





もう二度と、他の奴なんか愛せないように…




他人を想って、


涙を流すような


お子様…


「魔王は、あの黒いのが好きなんだって。」


「村神…俊也だっけ?」

ぎり。シーツを握る音が、耳元でした。

「彼を殺してしまえば…」

「やめときなさいよ。あんたなんかに完全犯罪は無理だから。」

鼻で笑ってやると、悔しそうな顔で私を見た。

あんたのその顔、なかなか好きよ。

「…そろそろ行くよ。」

「そう。」

「はい、部屋代。」

「どうも。」

数枚の紙幣を受け取って、私は八純に口付ける。

「…そういえば、ちゃんと薬飲んでるんだろうね?」

「なんの?」

「ピルだよ。最近ゴム使うなっていうから…」

…なんて会話。情緒のない。

「飲んでない。」

いらついたので言ってみた。

「な…っ!」

あーあ、なんてマヌケ面。

「ばーか、冗談よ。」

「サラ!」

「なによ。ん?言いたいことがあるならいえば?」

聞いてやるから。と付け加えると、なんだかとても泣きそうな顔になって…

なんだか私、いじめてるみたいじゃない。

「サラ頼むから、冗談でも止めてくれ。」

「…なんでよ。」

「いいからっ!」

「……」

荒々しい口調。やれば出来るじゃない。

「…ごめん。」 なんであんたが謝るのか、わからない。

「サラ…」

「早く行けば?怪しまれちゃうよ。親にはスケッチにいくって嘘ついて来たんでしょ。」

「…そうだね、行くよ…。君も早くかえれよ。」

「はいはい。」

呆気ない別れ。いつものこと。

さよなら、baby。